AI時代の仕事とビジョン

第3話:独自の価値観
AIには絶対真似できない
信頼できる人生のガイドライン


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話している人
赤塚
  • 高校生時代から大人を相手にコンサルティングを行う
  • 東京大学大学院 情報理工学系研究科修了
  • 某電話事業者でビッグデータ×AIの研究・社会実装に従事
  • JAPAN MENSA会員
  • 川澄先生
  • 医師・医学博士
  • フラクタル心理学3級カウンセラー
  • 家庭では2児の母
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      いったん、このシリーズは今回で終了です。40分以上話してきて、ようやく最初の本題に戻ります。

      赤塚

      で、テクノロジー化とグローバル化によって、今後の世界とか仕事はどうなっていくのかとか、2極化が進むという話を何となく、すっごいおおざっぱにしたんですけど。

      でもこれって、別に僕が今いったことではなくて、全部10年以上前から言われていること。

      もっと前かな。特にグローバル化とかは、僕が小学生の時も聞いた気がするので。小学生って6歳くらいですよね。そうすると20年くらい前ですよね。パソコンもWindows95とかいうのが家にあったと思うので。

      その前からあるから20年くらい前ですかね。インターネットが急速に普及しだしたのも、確か2000年くらいだったと思うので、やっぱり20年前くらい。

      それくらいから、この2つの大きな波っていうのは言われていた。

      先生には前ちらっとお話したんですけど、ジョブレスリカバリーっていう言葉も結構前からあったんですね。

      ジョブレスリカバリー。いきなり横文字が出てきたんですけど。
       
      ジョブレスリカバリーっていうのは簡単に言うと景気は回復しても雇用が回復しない現象です。

      ようするに価値を生み出すのに人が必要ない、人を雇って何かしてもらう必要がないからテクノロジーとか機械を使って人がいなくても価値を生み出せるようになった。

      その結果、景気は数字上回復しているんだけど、雇用はまったく増えない。

      これがジョブレスリカバリーです。この言葉も10年前には聞いたし、そういうタイトルの本が2005年とかに出ているんですね。

      そのまんまのタイトルですよ。ジョブレスリカバリーっていう。2005年というと10年以上前ですよね。それくらいから言われてます。

      日本は島国なので、結構グローバル化の影響って受けにくいんですよ。

      でも気づけば最近コンビニの店員はほとんど外国人ですよね。そう。田舎の方はまだわからないですけど、都心に来るとびっくりするくらい外国人しかいないと思います。

      テクノロジーにしても、最近、電車に乗ったらみんなスマホをピコピコしてますよね。そのスマホは大体海外のものじゃないですか。iphoneとかgalaxyとか。
       
      20年前どうだったかってことなんですよね。電車に乗ったらみんな今みたいに真剣な顔でスマホ見てピコピコしてましたかっていうことなんですね。

      SNS疲れとか、そんなこと言ってましたかって。まさか、そんなこと言ってなかったわけですよ。

      そういう風に時間を広げて比較すると変化に気づくんですけど、日々の変化っていうのはゆっくりなので僕たちは気づきにくいんですよ。
       
      グローバル化とかテクノロジー化っていうのはじっくり進行していく。

      時代の流れ的にみたら早いんですけど、でも、日々の実感としてはじっくりなんですね。

      20年単位で見るとすごい変わってるんですけど、一晩で劇的に変わるような変化はなかった。じわじわじわじわと変わってきた。だからなかなか変化に気づきにくいんですね。

      タンポポを見れば世界が分かる

      例えば、道に生えてるタンポポってあるじゃないですか。というか先生のおうちの庭に花って咲いてますかね?

      川澄先生

      はい、咲いてますね。

      赤塚

      じゃあ、その花をじーっと見ていたしますよ。じーっとですよ。で、そうしたときに、花の変化に気づきますかね?「ちょっとずつしおれてる」とか、「今1mしおれたな」とか。

      川澄先生

      わかんないです笑

      赤塚

      そう、わからないですよね笑

      でも確実に花は変化してて2,3日経ったら枯れてるとか、逆に花開いてるとかあるじゃないですか。

      そういう風に自然の変化のスピードっていうのはゆっくりだから僕たちは気づかない。社会の変化も同じで、いきなり劇的には変わらない。徐々に変わっている。

      だから2018年になっても、テクノロジーの発達とかグローバル化って言われても「まあ海外が近くなったねよねー」とか。

      アップルとかiphone、グーグルみたいに外国の大きな企業のとか製品の名前を聞くようになったとか。

      コンビニの外人店員が多くなったなーとか。

      その程度の認識だったと思うんですね。それでも着実にこの2つの波は進行しているわけです。

      さてと。わかりましたと。じゃあ、どういう仕事が残るのか。これからどういう方向性に進めばいいのかっていう話なんですよね。

      ね、話長すぎ、どんだけ話すんだという、ようやく本題に返ってきたんですけど。1時以上話して。

      ここまでの話は前置きというか、前提の話が最低限終わったので、じゃあ、いよいよどういう仕事が今後残るのかという話に進みたいんですけど。

      テクノロジー化とグローバル化が進むと仕事はどうなるか、考えられる結果ってすごくシンプル。

      あくまで、今ある既存の枠組みの中だけで考えるのであれば、これから残る職業は2つしかないです。

      2つというか2種類かな。

      超実力主義エリート

      まず1つめが、超実力主義で超熾烈な競争をずーっと続ける、一部の知的な職業ですよね。

      要するにAIとか機械にできない仕事、ってわかりやすくいうんでしょうかね。これは例えばテクノロジーそのものの研究開発、当たり前ですけど。

      これもAIのほうが、そのうちできるようになるのではないかと言われてはいます。

      あとはいわゆるホワイトカラーと呼ばれる大きな企業の本社の中で働く人、意思決定を行う人とか。

      たまにこのAIの話を聞くと、ホワイトカラーの仕事は全部代替できるって言ってる人いるんですけど、ルーチンワークだから、AIで全部できるとか聞くんですが、たぶん無理ですね、それは。

      そういう風に言われてはいるんですけど、人と人がビジネスしてるわけなので全部代替するのはたぶん無理です。

      まあ、そういうビジネスが残るのか、人を雇っているビジネスが残るのか、AIだけで回っているビジネスに勝てるのかと言われたら微妙な話はあります。

      でも、少なくともホワイトカラーの仕事が全部できるというのはあり得ないと思います。

      ただし、この領域というのは、ものすごく競争が激しいし、常に時代に適応してテクノロジーに適応していかなければいけない大変な職業です。

      まさに「エリート」と呼ばれるような職業です、ここは。

      他にはクリエイティビティが必要なものでも、トップの一流は残るかもしれないですね。

      最近はAIが絵を描いたり音楽を作ったりできるんですけど、それを超える感動を創れるような超一流のアーティストは残るかもしれない。

      だけどなんか、よくある寄せ集めみたいなやつは今後AIが作るでしょうね。どういうものが流行るのかってAIが分析するんですよ。音楽とかアートとかそれに基づいて創ったりするので。

      そういうのを超えられるような感動を創れないと、そういうアーティストの世界も厳しいですよね。

      これが1つ目ですね。一部の知的職業。これが1個残る職業ですね。

      単純労働

      もう1つは単純です。一部の単純労働です。

      これは単純なんだけど、機械にやらせるのがなかなか難しいとか、精密な機械が必要すぎて、逆にコスパが悪い、逆に人を雇った方が安い。そういう単純労働です。

      あまり思いつかないですけど、ゴミの細かい分別とか、下水道の掃除とか、そういうのは残るかもしれない。

      で、ここで考えてほしいのが、これらの競争とかがすべてがグローバルレベルで行われるということです。

      同期の日本人の大学生だけが相手なんじゃないんですね。全世界の人が競争相手になるわけですよ。

      そう、わかりますか。いいですか。

      子供に就職活動させたいのか
      そう、で、誰かが言ってた言葉が響いたのでそのままお借りするんですが。

      そんな時代にですよ、お子さんとかお孫さんに「就職活動」をさせたいんですかっていうことなんです。

      これは別に就職するのが悪いとか、その前の教育に意味がないとか、そういう意味ではないですけど。

      例えば最近、先生におすすめした、有名な本。「金持ち父さん、貧乏父さん」という本でも、スキルを磨くために一回従業員ステージを通るのもいいということが書いてありますよね。

      だから、そういう明確な目的があればいいですよね。「私は人生でこういうことをしたい、そのためにはこういうスキルとか経験が必要。だからまずはこの会社で5年間働く」みたいな。

      金持ち父さんの著者のロバートキヨサキも、セールスのスキルが足りないから、苦手だからっていうことで実際、ゼロックスだったかな、に就職したわけですよね。

      ただ、そういう明確な目的なしに、ただ何となく皆がやってとか、今までそうだったからという昭和の価値観で、就活して就職して定年まで勤めて年金で質素に暮らしていくっていうことを、こんなに可能性がある世界で、お子さんにさせたいのかという話なんですよね。

      せっかく、さっき言ったみたいにテクノロジー化とグローバル化ですごいチャンスがあるのに、超競争、実力主義でいつ切られるかわからない、そういう知的な職業か、何も要求されないんだけどグローバルで均一化された超低賃金労働者のどちらかに子供をしたい。

      そんな親なんていないと思うです。

      それは大変な道だし、何よりもったいないんですよ。

      「きれいごと」の終焉

      さっきも言ったんですけど、グローバル化、テクノロジー化ってものすごいチャンスなんです。

      本当に好きなことを仕事にできるようになったんですね。

      例えばお金の面で言えば10代で億万長者になる人がいたりとか、ゲームを実況して生活しているとか。

      そういう人って大企業の役員以上のお金を稼いでいるんですよね。ゲーム実況で。

      「好きなことを仕事にするんだ!」って昔から言われたわけですよ。「やりたいことをやれ」って。

      これってちょっと前まではきれいごとだったんですね。「そうはいってもねっ」ていう。「あなただからそうだけど」みたいな。

      でも今は違うんですよね。むしろ、今って好きなことをやっている人の方が稼いでいるんです。人気者になってるんですよね。

      好きなことをしてて、やりたくてやってるんだから、当然、精神的にもすごい平和だし、自由だし。自分の価値観の通りに生きられているわけです。

      だから、ここで最初に戻るんですね。あの話は無駄ではなかったんです。

      もう、自分で仕事を創り出すしかないというか、そうした方がいいんです。

      自分で未来を創る、自分で新しい仕事を生み出す、価値を創り出す。

      絶対にAIにできないこと

      単なる言葉遊びと言われるかもしれませんが、自分で新しい仕事を生み出せるなら、文字通りAIに奪われようがないですよね。

      だって自分で生み出すんですから。

      そう。自由な感じなんですよ。

      自分で生み出す。

      これが絶対にAIにできないことです。

      やりたいことを仕事にする。

      AIにやりたいことなんてないですからね。

      そう。で、これ、すこし一般的な、きれいな言葉でいいましょう。

      それが、「ビジョンを持つ」ということです。

      そう。ビジョンを持つということなんですね。

      自分は人生で何をしたいのか、何のために産まれてきたのか、どういう才能を持っているのか。

      ビジョン、またはちょっと視点は違いますけどミッションでもいいかもしれない。

      その才能と、今社会で求められていること、これから求められていることをどうマッチングするのか、どう価値に変えるのかを考えるわけですよ。

      ビジョンをもって、自分の才能を見極めて、社会のニーズとマッチングして、どういう価値を創り出せるのか考える。

      そのために新しい仕事を創り出す。

      これはAIには絶対にできないことです。

      だからできる人は、どんな時代になっても勝ち組として、まあもう勝ち負けでもないですけどね、勝ち組として、自由に、自分の思い通りの人生を生きられる人として君臨するわけです。

      ビジョンなどそもそも「ない」

      ただですよ。僕もよくわかるんですけど、ビジョンを持てって言われてもね、実際、難しいというか。

      おそらくビジョンって「これだ」って決まってるものじゃなくて、一生かけて創っていくものだと思うんですよ。自分の人生の目的って。

      だから最初は、「こういうことをやりたい」からスタートすればいいと思うんです。

      子供のころから飽きずにやっていることとか、人にやりなさいと言われなくてもやってることってたぶんあるんですよね。

      そこをスタートに考えれば大丈夫です。

      僕なんかも何もいわれなくても、人にずーーっと何か一方的に教えてますからね。

      「人の話を聞くことが大事なんですよ」っていうのを教えながらずーっと僕がしゃべってますからね。聞いてないっていう。そう。

      そういう風に子供のころからやってることって何かあると思うんですよ。

      才能を発掘する

      おそらくその中にあなたの才能が隠されているし、お子さんもそうですよ。

      よく観察していると、「この子はこういうことばっかりやってるな。これほんと好きなんだな」っていうのが見えてくる。

      仮にずーっとゲームしてるとしても、なんかあるんですよ、その中に。よく見るとね。

      同じゲームしてても違うんですよね。子供によって。なぜやっているのか、何が面白いのかって。そういうところを見極めていくっていうことですね。

      で、こういうことを言うと今度は「やりたいことが分からないです」というのが必ず出てきます。

      「自分が何をやりたいのかわかりません。」

      その場合どうしたらいいかということですが。

      逆から考えましょう。どうしてもわからなければ。つまり、今やっている中でやりたくないことを考えるんですよ。

      「満員電車に乗りたくない」とか「嫌いな人と仕事したくない」とか。スタートはそこからでもいいんですよね。

      ほんとは、こういうネガティブなものを避けるっていうのはよくないんですけど、スタートのエネルギーとして使う分にはいいと思います。

      で、世界の8割の人はそっちの方がいいと思います。

      成功哲学ではよくビジョンをもてというんですけど、そういう考え方ができるのは2割くらいなんですよ。

      8割の人は「こういうことをやりたくない、問題を解決するにはどうすればいいか。」という思考の方が自然なので、最初はそういう考え方でもいいです。

      そういう風に行動していると、次第にやりたいことが見えてくるんですね。

      で、やりたいことを続けていると、どんどん大きなやりたいこと、いわゆるビジョンみたいなものがイメージとして見えてくるわけです。

      だから最初は小さなところからでいいんです。

      まずは今考えつくものを考えること。

      それがどんどんビジョンになってくるということです。

      だから、今考えられることでいいから人生の指針を持っておかないと、とにかく情報過多の現代ではブレまくりますから。

      何もできなくなります。あっち行ってこっち行ってと。そう。

      自分の信念・価値観・軸

      そう。いいですか。だからまずビジョン、やりたいことが土台としてある。

      その土台は移り変わっていくことはあってもいいんです。

      だけど、いま、土台がないとブレるんですね。

      自分の信念とか価値観とか軸とか。

      そういうものを持つことがとても大切です。

      いいでしょうか。

      それでは長くなりましたがここまで聞いていただいてありがとうございました。

      ★重要★

      3回聞いてみて、感じたこと、学んだこと、こうしてみようと思ったことや、「こういうことが聞きたい」といった質問など、メッセージを赤塚、川澄先生に送ってください。それでは待ってます。

      次回:特別編 ハリウッド女優に学ぶビジョンの創り方 前編

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