期待、想像と
実際の感情は違う

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■思っていたのと違う!
今回は

 期待して想像する感情と、
 実際の感情は違う

という話をします。

あなたが、お金や時間、労力などを
無駄なことに使って損してしまう
というミスを避けたり、

何か新しい一歩を踏み出す時に
不安で足が止まった状態から、
勇気をもって次の一歩を
踏み出すために非常に重要な話です。

あなたは、何かを手に入れたいという
気持ちが非常に強くなって、
どうしてもそれが欲しいと
執着してしまって周りが見えなくなって、

お金とか時間とか労力を
めちゃくちゃかけたのに、
手に入れた後から振り返ると、
なんでこんなにもお金をかけたんだろう、
頑張ったんだろうと後悔したことはないでしょうか。

どうしてもあの時計が欲しいとか、
あのバッグが欲しいとか、
ほかには、
どうしてもあの人と付き合いたいとか、
どうしてもこの大学に入りたいとか、
資格を取りたいとか、

そういう風にとにかく手に入れたい、
達成したいという一心で
手に入れたはいいけど、
なんか思っていたほど感動しないとか、
思っていたのと違うとか、
そういう経験です。

僕の場合は、
例えば数年前に買った kindle がそうです。

「すげえ!」と思って
なんかわからないですけど
無性にほしくなって買ったわけなんですが、
実際に買って届くとそんなに感動もなく、
今やほとんど使っていません。

■渇望せよ
こういうことが起こる要因の 1 つが、
ドーパミンの作用です。

ドーパミンというのは僕たちの脳の中で
放出される神経伝達物質の一種で、
セロトニンとか、アドレナリンとか、
ああいうやつらの仲間ですが、
言葉くらいは聞いたことがあるでしょうか。

このドーパミンていうのは
快楽物質と勘違いされているんですが、
実際は違います。

ドーパミンは僕たちが、
何かの対象に対して

 「それを手に入れられるかも」

と期待を感じたときに放出される物質です。

これが僕たちの脳内でドクドクと
放出されるとどうなるかというと、
その期待を感じたものを

 「何としてでも手に入れたい」

という渇望感を感じます。

それは例えば、
美味しいケーキを食べたいとか、
あの洋服が欲しいとか、
あの可愛い人と付き合いたいとか、
そういったことです。

手に入れたい対象に対して
手に入るかもという期待を感じたとき、
ドーパミンが放出されることで
「何としてでも手に入れたい」
という渇望感を感じさせます。

こうして、周りが見えなくなります。

「どうしてもこれを手に入れたい」
っていう風に熱くなって
周りが見えなくなった経験があるとしたら、
このドーパミンの作用の可能性が高いです。

後から振り返ると
「なんであんなにも執着してたんだろう」
というときには、
たいていこのドーパミンが絡んでいます。

男性からお金やプレゼントを
もらうのがうまい女性は、
これを意識的か無意識的かは
知りませんがうまく使っているのでしょう。

ただ、ドーパミンのこの作用は
僕たちが生きていくうえで
非常に重要な役割を果たしています。

例えば、狩猟とか採取をしないと
食料が手に入らないような場合、
食料が手に入った後ではなくて、
手に入れるときに頑張らないといけません。

当たり前ですね。

狩猟とか採取に出かけないと
いけないわけですから。

だから、ドーパミンという
期待物質が出ることによって、

 「食料を手に入れたい!」

という渇望感を感じることで、
人は食料を手に入れるための
行動ができるわけです。

ただ、手に入ると
ドーパミンの分泌は止まるので、
あんなにも手に入れたいと
渇望していたのに、

実際手に入れてみたら
「あれ?なんか期待と違うぞ」
ということが起こるわけですね。

そういうドーパミンの作用なり
なんなりがあるので、
僕たちは何かが欲しいと思ったときに、
その期待で渇望感を感じてしまって、
本来手に入る価値よりも大きな価値を
感じてしまっている場合があります。

その結果、後から振り返ると
何の役にも立たないものに
大金をつぎ込んで買ってしまったり、
人間関係において多大なコストを
払ってしまったりします。

逆に、こういうメカニズムが
あるんだと知っていれば、

 「私は今、渇望感を感じてどうしようもなく
  ほしいと思っているけど、
  本当にそれだけの価値があるのか?」

と冷静になれる可能性が高くなります。

そうすれば、
実は期待で渇望感を感じているだけで、
よく考えたら自分はそんな高いバッグは
欲しくないとわかったり、

もっといい男性、女性と巡り合うチャンスは
いくらでもあると気づいたりすることで、
人生で無駄な損することが減っていくでしょう。

■実際は大したことがない
そしてこの、

 期待して想像する感情と実際の感情は違う

というのは、
ポジティブな期待だけではなくて、
ネガティブな期待にも当てはまります。

僕たち人間には、

 安定した現状を壊したくない

ホメオスタシスという機能があります。

だから、
特に新しいことを始めようとするとき、
例えばブログとか YouTube 、tiktok なんかで
情報発信を始めるとか、

新しい人と出会えるような場所に
積極的に足を運ぶとかいうことを考えると、
得体のしれない不安で
行動が止まってしまうことがあります。

YouTube にコメント 1 つするだけにしてみても、
初めてやろうとしたときは、
人によっては少し抵抗を感じるでしょう。

こういう、何か新しいことをするときの
得体のしれない感情は
言語化も難しいですが、
多くの場合は、不安や恐怖からきています。

「失敗したくない」、「嫌われたくない」、
「損したくない」などの感情です。

もちろん、失敗したくないというのを
さらに掘り下げていくと、
失敗すると自分は捨てられるという
思い込み、信じ込みがあったりしますが、
そういう話は今回は置いておきましょう。

何かこれまでにやったことのないことを
しようとしたとき、
どんなに得体のしれない
感情がわいてきたとしても、
実際にやっている最中だとか、
やり切った後に感じる感情は全く別ものです。

■見知らぬ人と仲良くなる
例えばですよ、あなたが今日街に出て、
道行く見知らぬ人に声をかける
ということを考えてみてください。

実際に街に出てみるとわかりますが、
多くの人はいざ声をかけようとすると
躊躇します。

もちろん、
躊躇しない人もたくさんいるので、
あなたが「そんなの普通じゃない?」
という場合は、声をかけるだけじゃなくて、
何かをセールスするとか、
もう少し難易度をあげて考えてみてください。

いざ声をかけようとすると、
「怒られたらどうしよう」とか
「迷惑じゃないかな」とか
「時計なんてみんな持ってるのに、
 時間聞くなんて明らかにおかしいよね」とか
「通報されたらどうしよう」といった、
妄想が始まります。

ですが、実際に声をかけてみると、
こちらが普通の身なりをしていれば、
ほとんどの人がとても丁寧に
対応してくれます。

そして、
実際にやってみるとわかるんですが、
妄想の恐怖、不安を感じているのは
声をかける直前だけで、
話始めたらそれらは消えています。

そして、話が終わった後には、
「声をかけることができた」という
成功体験も合わさって
「すっきり」、「すがすがしい」、「嬉しい」、
「楽しい」、「私やるじゃん!」
といった感情がわいてくるでしょう。

やる前とは全く違います。

他にも、会社とか取引先、お客様先で、
大事なプレゼンテーションをするとか、
セミナーをするとなったときはどうでしょう。

前日は失敗したらどうしようとか、
うまく響かなかったらどうしようとか、
いろいろなことを考えるかもしれません。

でも、実際に始まったら、
もうやることに集中するだけだし、
終わったらそんな感情はなくて、
やり切った感じとか、反省点とか、
そういうところに目がいくでしょう。

■成功体験を積み重ねる
そう。

だから重要なのは、

 想像している感情と実際の感情は違う

という新しい色眼鏡を明確に認識したうえで、
実際に小さな成功体験を
たくさん積んでいくことです。

いきなり大きいことからやらなくても。

そういう意味では
街で見知らぬ人に時間を聞いてみるとか、
道を聞いてみるとか、
もう少しやるなら、
「今日の私の服装どうですか」と聞いてみるとか、
そういう体験をしてみるのはおススメです。

実行する前の感情を観察して、
実行している最中、直後、1 日経過した後で、
実際はどうだったかを評価します。

すると、やる前とやった後で
全く違う気持ちになっていることが
わかるでしょう。

それが小さな成功体験として
積み重なっていきます。

すると、次に同じような状況になったとき、
その小さな成功体験は着実な一歩を踏み出す
強力なサポーターになります。

「想像している感情と実際の感情は違う」
という実感の記憶を仕入れていくのが目的なので、
あなたのゴールに直接関係があるかないかは
問題ではありません。

この成功体験を仕入れておくことは、
ゴールに直接関係あろうがなかろうが、
あなたのゴール達成につながります。

では、最後にまとめましょう。

今回は

 期待して想像する感情と
 実際の感情は違う

ということについてお話ししました。

ポジティブな期待に対しては、
僕たちはドーパミンの作用なりなんなりによって、
渇望感を感じることで、
冷静な判断ができなくなって、
手に入れることに執着してしまって、

結果的に大金をつぎ込んで
損をしてしまうとか、
一人の人に執着してお金も時間も
エネルギーも失ってしまうということがあります。

一方で、ネガティブな期待に関しては、
何か行動しようとしたときに、
得体のしれない不安や恐怖で
頭がいっぱいになって、
本来の実力が発揮できなくなることがあります。

だから、想像する感情と実際の感情は違う
ということをしっかりと言語化して、
認識して、そして実際に体験することで
成功体験を積み重ねていきましょう。

その成功体験は、
あなたがゴールに向かうときに
次々と一歩を踏み出して周りを
リードしていく確かな土台になります。

そして、あなたが成功していくにつれて、
行使できる影響力が大きくなっていったときに、
それを渇望感で誤った場所に使って
大損するのを避けることにもつながります。

ぜひ、実感を積み重ねていってください。

ということで、
今回も最後までご覧いただき
ありがとうございます。

日々、最高の一日を過ごしましょう。

それではまた次の動画でお会いしましょう。


赤塚
  • 東京大学大学院 情報理工学系研究科修了
  • 某電話事業者でビッグデータ×AIの研究・社会実装に従事
  • JAPAN MENSA会員